2004年6月10日〜14日に日本で唯一のキャンピングカー専門誌「Auto Camper」の取材クルーがカナディアンロッキーの大自然を訪れました。
取材クルーは、日本でも有名なアウトドアエキスパートの鈴木アキラさんと、キャンピングカーからオートバイまで車両撮影のプロカメラマン、小峰秀世さんでした。滞在中、あいにくの天候で、天気には恵まれませんでしたが、お2人の明るく楽しいキャラクターで取材ツアーは楽しくあっという間の5日間でした。
今回の取材はカナディアンロッキーキャンピングカーレンタル特集で、8月号(7月15日発売)にフルカラー7Pで特集されました。



6月10日(木)晴れ

本日は「Auto Camper」取材クルーのお二人(鈴木さん、小峰さん)がカルガリーに到着する日。お二人は成田発のノースウエスト航空で、シアトル経由のAS2332便で14:35にカルガリー到着予定。アメリカ経由便はカルガリー空港で到着ロビーに出る前に入国審査、荷物のピックアップがあり、実際に到着ロビーに出てくるまでに1時間ほどかかる。15:30ごろに到着ロビーでお二人をお出迎えする。
鈴木さんは特大のバックパック、小峰さんは重そうな撮影機材を持って出てきた。
お二人はお疲れ気味だったが、キャンプ用品を見てみたいということで、キャンプ用品店を3店舗ほど回った。
その後、ホテルでチェックインを済ませ、「Red Lobster」でカナダサイズのボリュームの海鮮尽くしを楽しんだ。
9時を過ぎても暗くならない日の長さに驚きながら、ホテルにてリラックスしながら、明日からのモーターホームレンタルの旅に備えることになった。


6月11日(金)晴れのち曇り時々雨

今日はいよいよモーターホームレンタル開始日。お二人をお迎えに行く前に、レンタルステーションに電話してレンタル開始予定時間の13:00〜よりも早くピックアップができないか問い合わせてみたが、今回は準備ができてないらしく結局13:00以降のピックアップとなった。
09:30、ホテルにお二人をお迎えに上がり、午前中の空き時間に食料の買出しに出る。カ
ナダならではの大規模なスーパー、食料の品揃えに驚きながら、肉、野菜、調味料などを買い揃える。前日の夕食時に毎食の献立を打ち合わせてあったので、買出しはスムーズにいった。
その後、カルガリーで一番のオススメのベトナム料理屋さんでPhoに舌鼓を打ち、レンタルステーションへ。
レンタルステーション到着は、ちょうど13:00だった。
レンタル契約時に取材目的を伝え、鈴木さんが「Auto Caper」6月号を係員に手渡すと、取材用にと新車を用意してくれた。全員の運転者登録とモーターホームの取り扱い説明を受け、いよいよ出発。僕らがレンタルしたのは発電機付きのC−30タイプのものだった。

私、林の運転でレンタルステーションからトランスカナダハイウェイ1号線に出る。取材日程と帰国日のフライト時間の都合で、最終日返却の取材ができないということで、カルガリーの西端で返却時の作業、給油、排水ダンプ、洗車を行い(またはそのふりをして)、その風景を小峰さんが撮影。
その後、酒屋さんでビールや酒類を買い込んで、いざカナディアンロッキーへ。15:30

バンフ国立公園に入り、バンフの街をそのまま通過。今日の目的地は、クートニー国立公園の先にあるウィンダミア湖畔のキャンプ場。バンフとレイクルイーズの中間地点、キャッスルジャンクションで93号線の南へ。
昨年の大規模な山火事ではげ山になったクートニー国立公園の山々を見ながらさらに南へ進む。ラジウム温泉で休憩し、そこから20分先のウィンダミア湖へ。
ゆっくり休み休み、撮影も交えながらの運転で、ウィンダミア湖に
到着したのは19:30だった。
ウィンダミア湖畔にある、キャンプ場でチェックインをする。このキャンプ場はネイティブインディアンの保留地で、インディアンの人たちが運営している。ここはノーフックアップ。薪を買い、キャンプファイヤーに備える。芝生の広いフィールドでフリスビーを楽しんだ後、45分ほど先に行った天然の露天温泉のあるホワイトスワン州立公園へ。川沿いのルシアー天然温泉へは舗装のしていない崖道を行くので運転には十分な注意が必要だ。
ルシアー天然温泉で撮影をし、疲れを癒していたらいつの間にかだんだん暗くなってきた。すでに22:15だ。
まだ夕食も食べていないため、少し急いでキャンプ場へ戻る。焚き火を起こし、夕食の準備をする。今夜のメニューはアルバータ牛のステーキと焚き火で丸ごとふかしたベイクドポテト。ステーキはレンタルの携帯BBQセットで焼く。やっぱりキャンプファイヤーを囲んでの食事は最高。ジューシーで分厚いアルバータ牛ステーキは外の新鮮な空気と焚き火の雰囲気でいつもの何倍もおいしく感じた。
その後、焚き火を囲んで、ビールを飲みながらいろいろな話で盛り上がった。
就寝時間は02:00で、公平にということでジャンケンでベッドを決めた。最初に勝った小峰さんがマスターベッド、次に勝った私が、運転席上のバンクベッド、負けた鈴木さんはソファーベッドで就寝となった。


6月12日(土)雨のち曇り

07:00起床。キャンプ場でシャワーを浴び、出発準備。今日の朝食は冷凍パスタ。ノーフックアップで電子レンジが使えないので発電機を使うことに。まだ朝早かったので、周りのまだ就寝中の他のキャンパーに迷惑になるといけないと思い、キャンプ場を出て、見晴らしのいい広場で発電機を使う。電子レンジで温めるだけの冷凍パスタは手軽でそれなりにおいしい。鈴木さん持参の器具でクリームチーズをパンの中に挟んで作ったホットサンドもすごくおいしかった。
朝食を済ませ、昨日のルシアー天然温泉への舗装されていない道の泥で汚れた車体をラジウム温泉の洗車場で洗う。撮影用にはきれいな車体が鉄則。洗車、給油を済ませ、ハイウェイ95号で北へ向かう。10:00ごろゴールデンを通過し、すぐ先でビッグホーンシープの群れと遭遇。

エメラルド湖に着いたころには、それまで降ったりやんだりだった雨が本格的に降り出してきた。ここでの目的はカヌーとその風景の撮影だ。雨具、ポンチョをそれぞれ着込んで、いざ外へ。さすがに雨でカヌーを楽しんでいる人はいなかった。雑誌用の撮影をする旨を伝えたら、無料でカヌーを貸し出してくれた。多少雨が弱くなり、カヌーの撮影、トレイルを歩く撮影を済ませエメラルド湖を後にする。
エメラルド湖からの帰り道、道路沿いにブラックベアを発見。この時期は冬眠から覚めた熊が、雪がえさを求め早く解ける標高の低い地域に下りてくる。道路沿いは日が良くあたり春が訪れるのも早いためこの時期は一番熊に遭遇する可能性が高い。
ブラックベアを車内から撮影した後、ナチュラルブリッジへ。ここでも撮影をしたが、立ち入り禁止の区域にタバコを吸いながら入って、吸殻を川に捨てていたマナーの悪い観光客にみんなで腹を立てて、今度はスパイラルトンネルへ移動。写真ではわかりづらいかもしれないが、ここは急な坂の勾配を消すために8の字のループトンネルがある。100両以上もある長い貨物列車がここを通ると、列車がみごとな8の字を作り出すとても珍しいトンネルだ。運良くその場面に出くわすことができ、鈴木さん、カメラマンの小峰さんも熱心に見入っていた。雨はいつの間にかやんでいた。

レイクルイーズは明日の予定のため今日は通過。キャッスル山のジャンクションからは、メインの1号線と平行してバンフ手前まで走っているハイウェイ1Aで野生動物と遭遇することを期待しながら走行。途中晴れ間が見えてきたため、交通量の少ない1Aでカナディアンロッキーをバックにモーターホームの走行写真を撮影。4往復ほどして小峰さんが納得のいく画をおさえたころにまた雨が。今日はジョンストン渓谷でハイキングをする予定だったが、予定変更。撮影で時間がかかったこともあり、もう14:00前でまだ昼食を食べていない。今日の予定は外でBBQハンバーガーだったが、天気が優れないため中止することに。バンフのレストランで昼食をとることにする。バンフの街へ急いでいた途中、大きな角で悠々と座る3匹のオスのエルクと遭遇
バンフのレストランで昼食を済ませたころには雨はすっかり上がり、日が差してきた。トンネルマウンテンキャンプ場のトレイラーコートにチェックイン。サイト番号は316。今日はフルフックアップだ。天気がいいうちに、モーターホームにキャンプサイトの電源、水道、排水のフックアップを繋げる撮影をする。撮影後、フックアップをはずし、バンフの街へ。その前にキャンプ場のゲートでよりランドル山が良く見える100番台のサイトに変更できないかどうか交渉してみたらOK。山が良く見える112番のサイトをゲット。その後、街へ。RV車用パーキング、スーパー、コインランドリーなどの撮影をした後、バンフの街で自由行動。鈴木さんがお土産などの買い物をしている間、私と小峰さんは路上駐車したモーターホーム内のベ
ッドで仮眠を取った。
その後、キャンプ場に戻り、キャンプ場の薪置き場の撮影をした後、サイトで再びフックアップをつなぐ。今日の夕食は昼食で食べなかったハンバーガーと鈴木さん特製の野菜の煮汁で煮込んだラタトゥイユというスープ。野外料理の専門家で何冊も本を出している鈴木さんは、このラタトゥイユは普段はダッチオーブンで外で煮
込むそうだ。今回はモーターホームの旅の取材のため、モーターホーム内のガスコンロを使って煮込んだ。鈴木さんがラタトゥイユを煮込んでいる間、私はノートパソコンでメールをチェックしたり、デジカメの画像を落としたりした。小峰さんはノートパソコンの接続風景を撮影。それぞれがそれぞれの仕事に励む。
その後、ラタトゥイユが煮込まれるのを待っている間に、外で、携帯BBQセットを使ってハ
ンバーガーを焼いて、先に食べる。
ハンバーガーを食べ終えて外の片づけがし終わったころに、ラタトゥイユも完成。赤、黄、緑のパプリカと長ネギ、ズッキーニ、ベビーコーン、セロリなど野菜たっぷりのこのスープはとてもヘルシーでおいしかった。
食後、ビールで乾杯し、今日は昨日よりは早めに就寝、24:00ごろ。恒例のベッド決めジャンケンでは昨日と全く同じ結果に。


6月13日(日)曇りのち晴れ時々雨

今日も07:00に起床。キャンプ場でシャワーを浴び、朝食を食べる。今日の朝食は昨晩の夕食のラタトゥイユの残りをパンに挟んで焼いたホットサンドとグレープ。
昨日までずっと私の運転で移動してきたが、今日は朝から小峰さんが運転。バンフの街で給油をして09:00ごろ出発。最初の目的地はレイクルイーズ。雲は多かったが天気は上々。湖の撮影を済ませ、モレインレイクへ。ターコイズブルーの湖を岩の瓦礫の上から見下ろすように撮影した後、帰り道でテンピークスの山々をバックにモーターホームの走行写真が取りたいというリクエストで、路肩で停車、カメラマンの小峰さんが200mほど先でカメラを構え、鈴木さんの運転で対向車が来ないことを確認してゆっくりと走る。この道は狭いためにUターンは困難。一発勝負の撮影となる。小峰さんを通り過ぎ、振り返るとOKの合図。撮影成功。時計を見ると12:00を回っていた。
先を急ぐ。途中、ノースサスカチュワン川沿いの開けたピクニックエリアで昼食にする。今日の昼食は携帯BBQセットで焼いた、サーモンステーキとバジルブレッド、サラダ。外でバジルブレッドとサーモンをBBQで焼いていたときにまた雨が。車内に避難して車内で食べることに。BBQサーモンはやっぱりおい
しい。
車内で昼食を食べていたら、雨がやんで、一気に晴れ間が差し込んできた。この時期のロッキーの天気は気まぐれだ。
簡単に片づけを済ませ、出発。
途中、すすり泣く壁付近で3往復ほど岩山をバックに走行写真を撮影。ビッグヒル展望台で大風景をバックにモーターホームの車両を撮影、この写真がその後雑誌の表紙に採用された。
いろいろ撮影をしながらだったので、コロンビア大氷原に到着したころ時刻はすでに16:30だった。17:00からの雪上車観光に参加した。天気は雲もすっかりどこかに行ってしまい、青空のとてもいい天気だった。1時間前は雪が降ったらしいので、ラッキーだった。雪上車観光も取材の旨を伝えたら無料。しかも時間が遅めだったので、雪上車は1台のみ、混雑していなくてのんびりできた。雪上車観光、撮影を終え、車に
戻る途中、天気が一気に変わり、雹が降ってきた。18:30出発、30分ほど先のクロッシングで小峰さんは疲労のピークで運転は鈴木さんにチェンジ。途中ピートー湖に寄って撮影した後、あらかじめ予約してあった、キャンモアのキャンプ場へ。到着、チェックインしたのは21:30だった。今日もフルフックアップ。キャンプファイヤー用の薪を買い、サイトC−16へ。このキャンプ場ではスリーシスターズ(連山)が良く見えとても見晴らしがいい。
今日の夕食はまたまた鈴木さん特製のショウガカレー。ジャガイモと間違えているんじゃないかというくらいの量のショウガと、たまねぎ、ひき肉、ズッキー
ニ、やラタトゥイユの残りを全て入れて煮込む。レンタルの炊飯器でご飯を炊き準備ができるのを待つ。その間に私は焚き火を起こしていた。購入した薪が雨で湿っており、なかなか火のつきが悪かった。その後、カレーの出来上がりを待つ間、車内で読者からのモーターホームレンタルに関する質問リストに答えた。その後カレーが完成して、早速食べる。大量のショウガで、辛いが、ショウガの辛さは不思議なものでさっぱりした辛さであとに引かない。冷える中、外で焚き火を起こしていた私は鼻水が出ていたのだが、カレーを食べているうちにすっかり止まり、体もポカポカしてきた。ご飯は炊飯器で四号炊いたが、すっかり平らげてしまった。
食後にビールを片手に焚き火を見に行くと、夜露で余計湿ってしまい火は消えかかっていた。
疲れもたまっており、時間も遅かったため、今日はもう就寝にすることにする。
02:00。

6月14日(月)晴れ

今日はとうとう最終日。お二人ともお別れ。キャンプ場を朝07:00に出発、トランスカナダハイウェイ1号線を東に、カルガリーへ向かう。今回はプロパンを補給する必要はなかったが、ガソリンスタンドによって補給用のプロパンタンクの撮影をして、空港へ向かう。お二人は11:05発のAS2335便で出発予定。名残惜しく、次回は仕事ではなくプライベートでゆっくり来られるようにと、再会を話してお別れ。
その後、私は、本来の返却前の作業として、洗車、給油、排水を済ませ、車両を返却。プロパンはカレーやラタトゥイユを煮込んだりして、結構使ったにもかかわらずほとんど減っておらず、また発電機もメーターが動いていないということで追加料金はなし。ただ、走行距離は事前支払い分(480km)を大きく越え1282kmも走ったのでこれに関しては追加料金。全ての清算をすませて、全部終了となった。
お二人ともとても楽しい方たちで、楽しくスムーズに取材ツアーは終わった。


この取材ツアーの特集は「AutoCamper」8月号(7月15日発売)に掲載されました。
「AutoCamper」のホームページはコチラ


モーターホームレンタルのページに戻る



メインページお問い合わせ



info@primetours01.com